ハワイ不動産の売却を検討する際、税金に関する知識は非常に重要です。この記事では、ハワイで不動産を売却する際に発生する4タイプの主な税金「譲渡税」「FARPTA 「HARPTA」「キャピタルゲイン税」とその対策について解説します。 ご売却仲介の追加サービスとして源泉税の還付手続きもワンストップでお手伝いしています。
税金1:ハワイ州の不動産譲渡税
ハワイ州の税法では、不動産を売却して所有権が移転された場合、売買代金に対して不動産譲渡税 (Conveyance Tax) が課されます。売却手続きにおいて、エスクロー会社が売買代金からホノルル市に代理で納税しますので、売主様はステートメントでご確認いただけます。。不動産譲渡税の税率は、買主様が居住用として購入したのか非居住用かによって異なります。2024年の最新税率は以下の通りです。
*エスクローとは不動産取引を仲介する第三者機関です。
$600,000未満 | $600,000 to $999,999 | $1,000,000 to 1,999,999 | $2,000,000 to $2,999,999 | |
居住用 | 0.10% | 0.20% | 0.30% | 0.50% |
非居住用 | 0.15% | 0.25% | 0.40% | 0.60% |
参考リンク:State of Hawaii – Department of Taxation 【What is the Coveyance Tax】
税金2:米国連邦の源泉税 FIRPTA
外国人または外国法人が米国不動産を売却する際に、米国連邦が取引金額に応じて徴収する源泉税はFIRPTA(ファプタ)と呼ばれます。税率は売買金額が100万ドル以下で買い手が居住目的の場合は10%、それ以外の場合は15%です。エスクローが売却金から差し引いて納付します。確定申告でキャピタルゲイン税を納税した後の過納分は還付されます。
以下の場合は源泉税が免除されます。
1.米国法人または米国居住者である場合
2.30万ドル以下の物件で買い手が居住目的で購入する場合
3.IRS発行の免除証明がある場合
税金3:ハワイ州の源泉税 HARPTA
ハワイ州の非居住者がハワイ不動産を売却する場合、ハワイ州が取引金額に応じて徴収する源泉税はHARPTA(ハプタ)と呼ばれます。税率は売買金額の7.25%で、エスクローが売却金から差し引いて納付します。こちらも確定申告でキャピタルゲイン税を納税した後の過納分は還付されます。
以下の場合は免除されます。
1.ハワイ法人またはハワイ居住者である場合
2.Domestic Profit Corporationとハワイ州労働局(DCCA)に登録されている法人
3.30万ドル以下の物件で買い手が居住目的とする場合
参考リンク:Title Guaranty Hawaii FARPTA HARPTA
FIRPTA HARPTA 源泉税が還付される時期は?
FIRPTA / HARPTA により徴収された源泉税は、翌年の確定申告でキャピタルゲイン税が計算され、過納分は還付されます。非居住者の確定申告(Tax Return)の申告期限は6月15日で、個人の場合には申告後3~6ヶ月、法人の場合には申告後12~18ヶ月で還付されます。あくまで目安であり、申告内容により還付金が届くタイミングは異なります。
日本の確定申告期限の方が早いため、【日本の確定申告 ➡ アメリカの確定申告 ➡ 日本の修正申告】の流れとなります。
税金4:キャピタルゲイン税
ハワイ不動産の売却で得た利益には、キャピタルゲイン税が課されます。これは、売却価格と購入価格の差額に基づいて計算されます。キャピタルゲイン税は連邦税と州税の両方が適用されます。
連邦キャピタルゲイン税: 長期保有(1年以上)の場合、税率は0%、15%、または20%で、納税者の総所得に応じて決まります。短期保有(1年以下)の場合、通常の所得税率が適用されます。
ハワイ州キャピタルゲイン税: ハワイ州のキャピタルゲイン税率は7.25%です。これは長期・短期保有に関わらず適用されます。
売却益の計算方法
売却益は以下の計算式で求められます:
- 売却価格:不動産を売却した際の実際の価格
- 取得金額:購入時の価格および購入にかかった費用(仲介手数料、登記費用など)
- 売却諸費用:売却時にかかった費用(不動産手数料、法律費用など)
- 修繕費:物件購入時や売却前に行った修繕や改善にかかった費用
居住用不動産の控除
主たる居住用不動産 (Primary Residence)の売却には、特定の控除が適用される場合があります。例えば、以下の条件を満たす場合、キャピタルゲインのうち25万ドル(夫婦の場合は50万ドル)までが非課税となります (2024年時点):
- 売却前の5年間で2年以上、その不動産に居住していたこと
- 売却益が居住用不動産の控除額以内であること
賃貸経営物件の減価償却費
減価償却費は物件の用途によって償却年数が異なります。居住物件は27.5年、ホテルコンドミニアムなどの商業物件は39年で減価償却します。キャピタルゲインの計算には、過去に費用計上した減価償却費を取得費から差し引いた簿価を利用します。これまでに費用計上された減価償却費の合計は、前年の確定申告書類で確認することができます。
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参考リンク
国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1240.htm
IRS : https://www.irs.gov/taxtopics/tc701