住宅ローンを利用してハワイ不動産を購入する際には、さまざまな用語やルールに戸惑うことも多いでしょう。この記事では、住宅ローンの基本知識から専門用語の解説まで、ハワイ不動産を購入するために知っておくべきポイントを分かりやすく説明します。また、信頼できるローンオフィサーのご紹介も行い、安心して住宅ローンの選定をしていただけるようサポートします。是非、最後までご覧ください。
ハワイ在住の方向け住宅ローン
ローンの種類
コンベンショナルローン
一般的な住宅ローン。金融機関が直接の債権者となり、独自の基準で審査を行います。クレジットスコアによって頭金や金利が決まり、頭金が20%以下の場合にはPMI (Private Mortgage Insurance) 保険の購入が必要です。この保険料は所得税控除の対象となります。外国籍の方や投資目的の方にも幅広く融資が行われています。
コンフォーミングローン
ハワイで初めて不動産を購入するファーストタイムホームバイヤー向けの住宅ローンです。このローンでは頭金を3%まで抑えることが可能で、頭金の貯金が十分でなくても審査が通れば不動産を購入できます。連邦住宅抵当公庫（ファニーメイ）や連邦住宅金融抵当公庫（フレディマック）の基準に適合した審査基準が適用されます。Private Mortgage Insurance (PMI)への加入が義務付けられており、この保険料は所得税控除の対象となります。
ハワイ州における1世帯物件の限度額は$726,525と定められており、限度額は州ごとに異なります。債権はファニーメイまたはフレディマックによって補償されるため、金融機関は積極的に貸付を行うことができるという利点があります。
FHAローン
FHA (Federal Housing Administration) が認定した金融機関が貸付する、FHA保証付きの住宅ローンです。このローンは、クレジットスコアが低い場合や頭金の用意が難しい場合でも利用可能です。FHAローンで購入された物件には、購入者が必ず居住する必要があります。また、FHAローンもPMI (Private Mortgage Insurance) への加入が義務付けられています。
ジャンボローン
コンフォーミングローンの限度額である$726,525を超える住宅ローンは、ジャンボローンと呼ばれます。ジャンボローンにはARM（変動金利不動産ローン）と固定金利ローンの2種類があります。コンベンショナルローンやコンフォーミングローンよりも審査基準が厳しく、頭金も必要です。債権は連邦公庫の補償を受けられないため、コンベンショナルローンと同様に金融機関が直接債権者となります。
頭金の目安は以前は30%が一般的でしたが、最近では約15%でも融資が可能な場合もあります。
VAローン
VA (Veterans Affairs) が運営する退役軍人向けの住宅ローンです。一般銀行が債権者となる点はコンベンショナルローンと同じですが、連邦退役軍人局が保証するため、頭金ゼロでも住宅ローンを組むことが可能です。過去には、ミリタリーに従事するご主人を持つ日本人の方のサポートも何度かさせていただきました。
主要ハワイ銀行おける現在の金利
ハワイ不動産協会のサイトでは、「ハワイ住宅ローンレート」として各銀行における本日現在の住宅ローン金利をリストアップしています。リストでは、20%の頭金を入れて$200,000のコンベンショナルローンをモデルとしています。実際の金利は個別に異なるため、詳細についてはローンオフィサーをご紹介いたします。
APR（Annual Percentage Rate、年間利率）は、住宅ローンやその他の借入金の実際のコストを表す指標です。APRは、単に金利(Interest)だけでなく、ローンに関連するすべての費用を含めた年間の総コストを示します。これには、利息、手数料、保険料などが含まれます。APRを理解することで、借り手は異なるローンオプションを公平に比較することができます。例えば、あるローンの金利が低くても、手数料が高い場合、APRは高くなることがあります。したがって、APRを確認することで、単に金利だけでなく、総費用を考慮に入れた上で最も経済的な選択をすることができます。
ディスカウントポイント
もう一つ大切なポイントにディスカウントポイントがあります。ディスカウントポイントを購入することで、金利を下げることができます。つまり、利息の前払い制度です。ディスカウントポイントを1ポイント購入すると、ローンの金利を0.25%下げることができます（金融機関により異なります）。
では、ディスカウントポイントはお得なのでしょうか？シミュレーションしてみましょう。例えば、$500,000の融資を30年固定、APR3.25%の住宅ローンで組んだ場合、毎月の支払い金額は$2,176です。ディスカウントポイント1ポイントを$5,000で購入してAPRを3.00%に下げると、毎月の支払い金額は$2,108になります。その差は$68です。
1ポイント分の$5,000を回収するには74ヶ月（約6年2ヶ月）必要です。したがって、5年未満の短期所有を予定している場合、ディスカウントポイントの購入はオススメできません。
ディスカウントポイントを利用するかどうかは、将来の所有期間や返済計画に応じて判断することが重要です。信頼できるローンオフィサーと相談しながら、最適な選択をしてください。ローンオフィサーはご紹介できますのでお気軽にお問い合わせください。
横山雄大オンラインミーティングにて個別にご紹介
お気軽にお問い合わせください
プレクオリフィケーション
住宅ローンの仮承認を取得するために、まずいくらまで借りられるかを審査してもらいます。アメリカで住宅ローンの仮承認を取るためには、以下の書類が必要です。
- 過去2年分の確定申告書類
- 過去2ヶ月分の給与明細
- 銀行口座のステートメント
- 身分証明書 ID
- クレジットカードのステートメント
- ソーシャルセキュリティーナンバー
頭金は「誰のお金」かがポイント
ハワイの不動産は担保価値が高いため、頭金の割合が少ない場合もありますが、頭金が必要な場合には数万ドルのまとまったお金が必要です。頭金をご本人の預貯金から支払う場合、必ず銀行で保管してください。お金が過去2ヶ月間に口座内に存在していれば預貯金として認められますが、それ以降に入金されたお金については出所を証明する必要があります。
よく見られるケースとしては、「日本の銀行口座からお金を移した」「日本の両親から援助を受けた」というものがあります。どちらの場合も、日本の銀行口座の過去2ヶ月分の明細コピーの提出が必要です。ご両親から贈与を受ける場合、1年間の贈与税免除額に応じて、数年に分けて日本の口座に移すのが理想的です。
ローン審査
ローン審査は、毎月の収入に対する返済比率と信用度を表すクレジットスコアを基に行われます。
審査基準は各銀行により異り、複数の銀行に審査を依頼することができます。
毎月の返済比率
住宅ローンのご返済は固定支出となるため、生活を圧迫しない限度額以上の借り入れはできません。一般的には収入の28%を超える借り入れは望ましくありません。住宅ローンのご返済は、PITI（Principal 元本 / Interest 金利 / Tax 税金 / Insurance 保険）の合計金額を指します。
住宅ローン以外にも、「コンドミニアム管理費」「光熱費」「オートローン」「教育ローン」「クレジットカードの支払い」などを含めた合計の支出を収入の36%以内に抑える必要があります。ローンオフィサーは収入と支出からPITIの限度額を計算し、無理なくご返済いただける住宅ローン金額を逆算してくれます。
クレジットスコア
アメリカでは個人の与信管理にクレジットスコアを用います。このスコアは過去の借り入れやクレジットカードの返済履歴、光熱費や通信費などの支払い状況によって300～850の間の数値で表されます。700以上であれば住宅ローンを組むのに十分ですが、それ以下だと銀行は返済が滞る可能性があると判断し、金利を通常より高く設定することがあります。現在のクレジットスコアはウェブサイトで確認が可能です。
クレジットスコアは確認するとスコアが下がるという都市伝説がありますが、これは事実ではありません。スコア確認には2種類あり、個人で確認する場合にはスコアに影響はありませんが、金融機関やクレジット会社が与信管理のために問い合わせを行う場合が多いと、複数から借りようとしていると見なされ、スコアが下がることがあります。
580以下：住宅ローンは難しい
580-669: 平均以下のスコアで金利が高くなる
670-739: 平均的スコア
740-799: ジャンボローンが利用可能
800以上: 優良スコア
お申し込みから融資まで
プレクオリフィケーションでご予算が決まり、物件も決まってオファーがアクセプト（契約締結）されると、取引が始まり、ローンの手続きも同時進行でスタートします。ローンを利用する場合、契約締結から登記・引き渡しまでの手続きを45日〜60日以内に完了させることを目標としています。
情報はこちらのバナーをクリック
毎月のご返済と繰り上げ返済。そして借り換え
毎月のご返済は自動引き落としが便利です。自動引き落としのご利用には、ハワイの銀行でチェッキング口座を開設する必要があります。口座の開設方法については、こちらのページをご参照ください。
繰り上げ返済はPre-PaymentやAdvance Paymentと呼ばれます。最近では繰り上げ返済によってペナルティーが課せられることは少ないですが、念のためご確認ください。
繰り上げ返済がペナルティー無しでできる場合、借り換えという選択肢も考えられます。固定金利で住宅ローンを組んでも、長いローン期間中に低金利時代が訪れることもあるでしょう。私は住宅ローンの借り換えを積極的に勧めますが、ローン手数料もかかるため、ローンオフィサーに返済計画を作成してもらい、比較することでどの選択が最もお得かが見えてきます。将来の借り換えも視野に入れると、金利が下がるのを待つというのは必ずしも良い判断とは言えません。ローン期間中に金利が上がった場合は既存のローンを継続し、金利が下がった場合には低金利でローンの借り換えを行うことが可能です。
住宅ローンを利用した生命保険
アメリカの住宅ローンには日本での団体信用生命保険が付帯しません。それに準じたものとして、Mortgage Life Insuranceを購入することができます。この保険は一般的な生命保険よりも加入しやすく、死亡保障だけでなく、不慮の事故により仕事ができなくなり、住宅ローンの返済が困難になった場合も保障対象になります。保険の種類やコストについては、ローンオフィサーへお問い合わせください。予期せぬ事態からご家族のお住まいを守るために、おすすめの保険です。
日本在住の方向けの住宅ローン
ハワイの銀行で住宅ローンを組む
現在の居住地が日本の方でも、ハワイの銀行で住宅ローンを利用することが可能です。居住地が日本の方はアメリカにおいて与信審査で利用するクレジットスコアがないため、与信審査に必要な書類の種類が多くなります。
- 直近２年間の源泉徴収票
- 直近１ヶ月間の給与証明書
- 直近２ヶ月分の預金通帳コピー （高額入金は入金元を記録）
- 直近２年間の確定申告書（第一表と不動産青色申告書、不動産リスト）
- 自営業の方は個人と法人の確定申告書別表１，４＋決算報告書、月次貸借対照表、月次損益計算表、履歴事項全部証明書
- 在ハワイ銀行口座の残高証明書
該当する場合に求められるときがある追加書類
- 現在所有の不動産に対するローン返済スケジュール表
- 不動産ローン返済記録１２ヶ月分が記載された預金通帳コピー
- 現在所有の不動産に対する火災保険等の保険契約書
- 現在所有の不動産に対する固定資産税納付書
居住地が日本の方が求められる時がある与信審査資料
- 日本国内銀行口座の残高証明書
- 信託口座の記録 通帳または明細記録
- クレジットカード、光熱費、携帯電話など３種類以上の過去１２ヶ月分の支払い記録
- 借入金残高および返済月額が分かる書類と１２ヶ月分の支払い記録
- 日本国パスポートのコピー
- 母方の旧姓
日本国内の銀行で住宅ローンを組む
ハワイの不動産を担保に住宅ローンを組める日本国内の銀行です。ハワイの銀行と比べて低金利かつ、返済における為替リスクがないのがメリットと言えます。
SBJ銀行の海外不動産購入ローン
変動金利・保証料込みの2.8%という低金利で、物件価格の50%を目安に最大2億円まで円建てでお借入いただけます。お借入期間も最長35年と長期間設定が可能です。お借入が円建てのため、ご返済中に為替が変動してもお借入額には影響がありません。また、保証人や保証料は別途不要で、団体信用生命保険が付いています。
条件は2024年6月時点のもので、変更がある場合がありますので、詳しくはSBJ銀行のホームページをご覧ください。
東京スター銀行のハワイ不動産担保ローン
ハワイ不動産を担保にして事業資金を調達したい方に最適なローン商品です。柔軟かつ幅広い用途に資金をご利用いただけます。お借入金は国内外の様々な投資や事業に活用する資金であれば、様々な用途にご利用いただけます。ハワイ不動産の購入資金調達に加えて、すでにご購入済みの不動産を担保にした融資も可能です。
条件は2024年6月時点のもので、変更がある場合がありますので、詳しくは東京スター銀行のホームページをご覧ください。
横山雄大売出し中の最新物件情報や、物件に関する質問は「お問い合わせフォーム」からお気軽にご連絡ください。迅速丁寧に心を込めてお手伝いさせていただきます。
参照：
Investopedia | https://www.investopedia.com/home-ownership-4689706
Conforming Loan | https://www.investopedia.com/terms/c/conformingloan.asp
Jumbo Loan | https://www.investopedia.com/terms/j/jumboloan.asp
国税庁 No.4402 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
FICOクレジットスコア | https://www.myfico.com/credit-education/credit-scores
VAサイト | https://www.veteransunited.com/va-loans/
HUDサイト | https://www.hud.gov/buying/loans