ハワイで不動産を所有し、賃貸経営を行ったり物件を売却したりする場合、家賃収入や売却益に対してハワイでの確定申告が必要です。この記事では、会計事務所に提出する必要な書類とその収集方法を中心に、不動産オーナーが知っておくべき情報をまとめました。
- IRS : 日本の国税庁に相当する「内国歳入庁」
- マネジメント会社:賃貸管理を委託している不動産会社
- 管理会社:管理組合がコンドミニアムの建物全体の管理を委託している専門会社
- エスクロー:物件取引の安全と透明性を確保するために、資金や書類を保管・管理する第三者仲介会社
ハワイで確定申告が必要なケース
ハワイでの不動産投資には、収益を最大化するための適切な税務管理が欠かせません。確定申告のプロセスを理解し、必要な書類を揃えることで、税務リスクを最小限に抑え、法的なコンプライアンスを確保することができます。
米国税理士(EA)である横山が、お客様と会計事務所の間に入り、税務管理をお手伝いしますのでご安心ください。ご希望の場合には、会計事務所のご紹介も可能です。
家賃収入が発生した場合
賃貸物件から得られる家賃収入は、IRS、ハワイ州の両方に税務申告する必要があります。
申告には納税番号が必要で、納税番号は賃貸経営をスタートする前に取得されるのが望ましいです。
個人納税番号:ITIN (Individual Tax Identification Number)
個人名義の納税番号です。購入物件が登記されて賃貸経営を委託するマネジメント会社が決まり次第に納税番号の取得申請が可能です。申請にはハワイの会計事務所にてCPA公認会計士のパスポート認証が必要です。申請から発行まで 2~3ヶ月かかります。
法人納税番号:EIN (Employer Identification Number)
法人名義の納税番号です。オンラインで番号の取得申請が可能です。パスポート認証は必要ありませんので代行での取得申請が可能です。
物件を売却した場合
ハワイ不動産を売却する際には、キャピタルゲイン収入の有無にかかわらず源泉徴収を納める必要があります。源泉徴収の還付申告として確定申告が必要です。納税番号がない場合、売り出し開始と同時に取得申請することをお勧めします。納税番号が手元にあることで、売却物件の登記引渡時にIRSへの提出書類に納税番号を記入できます。
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確定申告に必要な提出書類
確定申告のために会計事務所に提出する主な書類は以下の通りです。
家賃収入に関する書類
家賃収入明細(Owner Statement)
毎月マネジメント会社から届く家賃収入・経費・NET収入の明細書
1月に届く年間サマリーも合わせて提出ください。
FORM 1099
毎年3月頃にマネジメント会社から送られる年間家賃収入の証明書
管理費ステートメント (Statement of HOA Maintenance Fee)
毎月管理会社から届く管理費・共益費の領収書
経費領収書 (Receipt for other expense)
修理費用、保険費用、固定資産税、会計士・弁護士費用などの直接お支払いされた経費の領収書
ローン返済明細書 (Loan Statement)
お支払い金利は経費になります。ローン会社よりお取り寄せください。
エスクロー最終計算書(Final Buyer’s Statement)
登記後にエスクローから届く計算書
ご購入経費の確認と減価償却費の計算に必要です。
物件売却に関する書類
エスクロー最終計算書 (Final Buyer’s Statement / Final Seller’s Statement)
登記後にエスクローから届く計算書
物件のご売却時、ご購入時の両方がキャピタルゲインの計算に必要です。
FIRPTA / HARPTA 源泉徴収証明書
エスクローから届く FORM 8288-A と FORM N288
FORM 1099-S
エスクローから届く売却収入をIRSへ報告するためのフォーム
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書類の収集方法
オンラインポータル
多くのマネジメント会社や銀行はオンラインポータルを通じて必要な書類をダウンロードできます。アクセス権をいただければ必要な書類を収集して管理いたします。
郵送
一部の書類は郵送で送られてくる場合があります。お手数ですがスキャンしてPDFファイルで送ってくだされば、確定申告に必要となる時期まで管理いたします。
直接依頼
物件仲介のお取引期間の前後でも代理人としてマネジメント会社、管理会社、銀行へ直接依頼して、必要な書類を提供してもらうことが可能です。 事前に媒介契約が必要です。
確定申告の手続き
会計事務所に相談
確定申告のプロセスを円滑に進めるためには、信頼できる会計事務所に相談することをおすすめします。相談のタイミングは「物件購入のお取引中」または「ご売却の売り出し前」が理想的です。会計事務所の変更は可能ですが、申告の一貫性を保つためには、最初の会計事務所選びが重要です。ご希望の場合には、会計事務所のご紹介もいたします。
確定申告の提出期限
家賃収入に関する確定申告の提出期限は6月15日です。非居住者の申告書類作成スケジュールは会計士事務所によって異なるため、相談のタイミングで確認してください。物件売却に関する確定申告は必要書類が揃い次第、申告書類の作成が可能です。法人名義の場合は決算月に合わせて確定申告ができます。
売出し中の最新物件情報や、物件に関する質問は「お問い合わせフォーム」からお気軽にご連絡ください。迅速丁寧に心を込めてお手伝いさせていただきます。